福井県出身。
国立音楽大学 音楽学部 演奏・創作学科 声楽専修 ならびに歌曲ソリストコース卒業。
現在、番組制作会社に勤務。
趣味は「ひとり」旅行。(コロナでお預け中…)
音大生が自身のキャリアを考えるために、音大卒業後のキャリアについてインタビュー。
今回のゲストは、国立音楽大学で声楽を学んでいた青山ななみさん。
信念をもって‘‘好き”を極め続けた多彩な学生時代、そしてすべての音大生に読んでほしい力強いメッセージを頂くことができました。
音楽と言葉への興味に溢れる学生時代
-まず、音楽大学に入ったきっかけを教えてください。
小さな頃から歌が好きだったので、中学の時から合唱部に所属していて、高校も福井県の仁愛女子高校音楽コースに進学しました。そして、せっかくなら都会に出て、日本でも有数の大きな音大に入って更に専門的な勉強がしてみたいなと思い、国立音楽大学に進学しました。
-中学の頃から音楽の道を考えていたのですね。
そうですね。
でも、私の場合は「音楽家になりたいから音大に入った」という意識は当時無かった気がします。例えば歌だと、音楽と歌詞との関連など、より専門的な音楽の勉強をしてみたいという想いから、音大への進学を決めたという感じでした。
-青山さんは、高校時代にご自身の書かれたドラマ脚本が映像化されたりもしているんですよね。(※)ドラマを拝見させて頂いたのですが、とても繊細で内容の深い作品に驚きました。そのような活動もされていて、音大以外の、例えば文学部などへの進学を考えたことはなかったのですか?
※2014年、青山さんのドラマ脚本作品『十七歳』は、フジテレビ「ドラマ甲子園」にて大賞を受賞。2017年には2つ目の作品『十九歳』も手掛けられ、どちらも映像化されテレビ放映されました。
たしかに文学や脚本などにも興味はありましたが、当時を振り返ると、やっぱり音楽に対する興味の方が大きかったのかなとは思います。
-歌の勉強を進めていく中で、ご自身の中で「歌」と「文学や脚本」の繋がりはあったのでしょうか?
例えば、歌だと歌詞がありますよね。
昔の偉人たちは、すごく美しくて洗練された言葉を使っているなと感じます。だから私にとって歌を勉強することは、音楽だけじゃなくて文学の勉強でもあったんです。
その作品が作られた背景や、詩人がどういう人なのか、どういうところで育ったのか、などを調べたりもしていました。
そういったところは、「歌」と「文学や脚本」の繋がりかなと思います。
心惹かれるのは「歌詞の美しさ」
-音大時代に印象に残っていること、例えば、楽しかった授業などはありますか?
一番楽しかったのは合唱の授業ですね。
何が面白かったかというと、当時勉強していたものが、オラトリオやミサ曲などの宗教曲がすごく多かったんです。そういったものの歌詞に触れる、要するに聖書の言葉に触れるというのは、自分の中で新しい試みだったんですね。
私はクリスチャンではないので、聖書の言葉は全く未知の世界の話だったんです。なので、歌詞に神様やイエス・キリストの言葉が入っていたりするのがとても新鮮でした。
合唱の授業の先生は、ご自身がクリスチャンということもあって、聖書の言葉に対して細かい説明をしてくださいました。希望したメンバーで小さなクラブを作ってくれて、宗教にとらわれず聖書の言葉を勉強してみようという企画をしてくださったり。
旋律や音程だけに捉われない、「音楽を全体像として捉える」という勉強の仕方を教えてくれた先生でした。音楽と言葉の融合が合唱という形で表れることを実感できたので、その授業はすごく印象的でしたね。
その先生とは今でもたまにやり取りしていて、本が好きな方なので、こういう本を読みましたとか、音楽以外の話もしたりしています。最近はあまり連絡を取れてないのですが、一生の先生だなと思っています。
-青山さんは、国立音楽大学の歌曲・ソリストコース(※)に在籍されていたのですよね。レベルの高いコースへ入ったきっかけは何だったのでしょうか?
(※選抜試験で選ばれた学生が、一段と高度な演奏表現習得を目指す専門のコース)
そうですね。音楽の「道」を突き詰めていこうという意思が強かったわけではなくて、この音楽が気になるな、この詩をもっと読んでみたいな、もっと勉強してみたいな、という興味や関心の積み重ねで、コースに入れることが出来たという感じがしますね。
-そういった興味・関心や、音楽や歌が好きという気持ちの原点は何なのでしょうか?
あまり音大生らしくないと思うのですが、「歌詞の美しさ」だと思います。私は特に日本歌曲がすごく好きでした。
現代人の言葉使いって、希釈されているというか、洗練されていない感じがある。でも、昔の作品を振り返ると、本当に美しい響きの言葉で溢れているんです。そういった作品に出会った時に、この曲を勉強してみたい、この詩にはどんな旋律がついてるんだろう、と想像するわけです。
私の場合、歌詞ありきの音楽なんですよね。
作曲のプロセスも一緒じゃないですか。歌詞があって、作曲家がそれを読んで「これいい!」と思って曲をつけますよね。それと同じで、私も先に歌詞を知ってから、「これいい歌詞だな、勉強してみたいな」となることが多かったですね。
-最初に歌詞や言葉から何かを得て、音楽と結び付けていったのですね。
実際、歌の先生のところに「この曲やりたいです」と持って行ったら、「あなた、この曲どこから見つけてきたの!?」と言われたりしました。「この歌詞を読んで勉強したいと思ったんです!」と言っていましたね。そしてその後は歌のレッスンじゃなくて、朗読のレッスンになるわけです(笑)
-それはすごいですね(笑)青山さんは言葉の方面から作品を探しているから、先生もご存知無かった作品が出てきたのかもしれないですね。
そうみたいですね(笑)