以下は、2008 年 7 月 15 日に書かれた WordPress.org 公式ブログの記事、「WordPress 2.6 」を訳したものです。以下のリンクは基本的に、英語になります。
予定よりもほぼ一ヶ月を前にして、WordPress 2.6 が利用できるようになったことを発表できて、とても幸せです(訳注: リンクは英語版。日本語版はこちら)。ジャズピアニスト McCoy Tyner にちなんで名づけられたバージョン 2.6 は、WordPress をよりパワフルな CMS にするたくさんの新しい特徴を含んでいます。つまり、あらゆる投稿とページの履歴を追えるようになり、ウェブ上にいればどこからでも簡単に投稿できるようになっています。加えて、バージョン 2.5 で導入された特徴に対する数十の改善点があります。もし 3 分 29 秒の時間があれば、2.6 の要約ビデオを用意しました。一見の価値があります:(訳注: ビデオは原文をご覧ください)
もしあなたのブログに要約ビデオを貼り付けたいのなら、以下のコードを貼り付けてください。こちらは高画質バージョンになります。
<embed src="https://v.wordpress.com/mARhRBcT/fmt_dvd" type="application/x-shockwave-flash" width="640" height="385" flashvars="blog_domain=https://wordpress.org/development/2008/07/wordpress-26/&width=640&height=385"> </embed>
こちらは幅400ピクセルの小さいバージョンになります。
<embed src="https://v.wordpress.com/mARhRBcT/fmt_std" type="application/x-shockwave-flash" width="400" height="250" flashvars="blog_domain=https://wordpress.org/development/2008/07/wordpress-26/&width=400&height=250"> </embed>
2.6 の魅力の要約になります。
投稿の校正 : Wikiのように編集履歴を追える
現代のコンピュータのパワーを持ってすれば、フロッピーディスクがもっとも一般的な保存方法であったときと同じような保存と編集のモデルをまだ使い続けているなんてばかげたことです。WordPress はこれまでにも自動セーブ機能によりブログの投稿内容を重要なものとして敬意を払ってきましたが、ようやく Wikipediaやバージョンコントロールシステムのようなとても簡単なインターフェースを通じて、投稿やページにいついかなる変更を加えたのかを把握できるようになりました。
これは失敗してしまい、古いバージョンの投稿に戻したいという場合に重宝します。また、あらゆる更新を追えることで複数人で更新するブログではより便利でしょう。
ウェブ上のどこからでも投稿できる投稿ブックマークレット
数ヶ月前 Matt のブログで WordPress での投稿ブックマークレットの議論を始めました。そのシステムはFlock、FriendFeed、Facebook、Tumblr、Deliciousなどから着想を得ています。ここでの提案や Josh Kenzerによる Quick Post プラグインから、ツールバーに追加して、すばやくスマートにポップアップして WordPress のブログに投稿できる Press This ブックマークを開発しました。
たとえば、Youtubeのページで 投稿ブックマークレットをクリックすれば、魔法のようにビデオの埋め込みコードが抽出されるでしょうし、 Flickr のページでクリックすれば、容易に投稿にイメージを挿入できます。Matt のブログでは、より tumblelog のようなフォーマットを作れるような、ビデオや引用、挿話などなど、様々なカテゴリーとin_category()
を使った機能を実験しています。
Gearsに切り替える: ブログを高速化する
Gears は、Google によって始められたオープンソースのブラウザ拡張プロジェクトで、開発者に通常では実現できない機能を可能にしてくれます。将来 Gears を使ってできるようになることはたくさんありますが、このリリースでは あなたのコンピュータに通常使われる JavaScript や CSS をキャッシュしたり、コピーを置いたりする”ローカルサーバー”と呼ばれる機能を入れています。これにより、ページのロードを数秒スピードアップできます(ページがパッとすぐに表示されます!)。Firefox や Internet Explorer に Gears をインストールできます。Safari や Opera へのサポートは現在滞っています。WordPress はGearsなしでもよく動作しますが、インストールしていればもうすこしよくなるでしょう。
テーマプレビュー: 読者が見える前にテーマを見られる
テーマを選択すると、すぐにサイトでテーマが有効になるのではなく、すべてのコンテンツとともにテーマをライブプレビューするウィンドウをポップアップします。これは、テーマを公にする前に試運転するのによいでしょうし、テーマを開発する際にそれをテストする必要があるが、誰にもそんな進行中の失敗 開発を見せたくないという場合に役立つでしょう。
こちらは 2.6 でのささいな機能や改善になります。
- 単語カウント! もう投稿に何単語あるか推測することはありません。
- 画像のキャプション 画像の下にPolitical Ticker のようなすてきなキャプションを加えることができます。
- プラグインのまとまった管理
- より使いやすい画像の挿入、回り込み、リサイズ機能を可能にする、全面的に改良された画像コントロール。
- ドラッグアンドドロップでギャラリーの並べ替え
- プラグインアップデートの注意喚起をバブルで表示
- デフォルトアバターのカスタマイズ
- フルスクリーンモードでメディアをアップロード
- XML-RPC や APP 経由でのリモート投稿をデフォルトでオフに。これはオプション画面で容易にオンにできます。
- WordPress 本体でのフル SSL サポート(日本語)とSSL の強制が可能に
- 何千ものページやカテゴリーを持つ場合のインターフェースの問題を改善
- クリーンな SVN チェックアウトのために、
wp-config
ファイルとwp-content
ディレクトリの置く場所をカスタマイズできるように - “シフトクリック”でチェックボックスの幅を選べるように
- Flash アップローダとクラシックアップローダを切り替えられるように
- cookie とデータベースの相互作用を含む、たくさんのセキュリティ強化
- より強力で高速なバージョンのTinyMCE、jQuery、jQuery UIの採用
- およそ 194 ものバグの改善
開発者向けのメモ
WordPress.orgにて、75 人以上の方がWordPress 2.6 のコーディングに貢献してくれました。コアコミットチームに加えて、Dion Hulse、Austin Matzko、Otto42、Benedict Eastaugh、pishmishyからも提供を受けました。AaronCampbell と Marco Zehe はかなりのパッチを提供してくれました。トップのコードの提供者ではJacob Santosがいます。Alex Concha は WordPress のバックアップを続けてくれています。バグリポートへの参加では、hakre、Simon Wheatley、mtekk、Matty Robがいます。 最後につい最近結婚した Peter Westwood におめでとう!新たなコアコミッターがチームに加わることを報告できることを誇りに思います:Andrew Ozz (azaozz) は、特にTinyMCEまわりや、WYSIWIGを邪魔するものではなく、役立つものとしてくれ、今年コアチームに大いに貢献してくれました。
クリーンな SVN チェックアウトを可能にする機能が新たに追加されました。このため、プラグインとテーマの製作者は直接独自のファイルに対してデータをPOST 送信するよりも、WPを通してフォームや POST要求を処理するよう最善を尽くす必要があります。上位互換性のあるAPIを使って行う方法に関する簡単な記事を Codex に用意しました(リンク先は英文)。
アップグレード
2.6はプラグインとテーマの互換性の観点からはまったく同一であるため、2.5 からのアップグレードでは特段問題はないでしょう。2.5 ブランチはもうメンテナンスしないため、みなさんにアップグレードをおすすめします。こちらにこのリリースに対する 3 つの標準的なアップグレード方法を用意しています。2.5 では少なくとも 1,984,047 ものダウンロードがあり、これまでにないほどの伸びを見せました。2.6 では WP を毎日楽しく使えるような改善を多くの人が見つけられると思います。(少なくとも私はそうです :))
イースターエッグ
2.6 には開発初期からいわゆるイースターエッグがあるという噂や主張がありました。こうした噂は完璧に間違っています。
P.S. もしも WordPress のファンならFacebookのファンページへの参加を考えてみてください。
“WordPress 2.6” への14件のフィードバック
[…] これ以降、WordPress 2.5.x はメンテナンスされないので、すべてのユーザーにアップグレードをおすすめします。新機能、更新箇所等は WordPress 2.6 のリリースアナウンスの訳を参照してください。 […]
[…] WordPress 2.6 のアナウンスの最後にあるように、2.6 にイースターエッグはありません。。。 […]
[…] わかりやすい変更点は、Codexブログがわかりやすいです。 […]
[…] WordPressの2.6がリリースされました。詳細はこちらを見ていただきたいですが、結構細かい部分のアップデートがたくさんあります。Wikiで使うような編集履歴が追える機能なんかは、非常に面白いです。データベースの一部変更があったようでデータベースのアップグレードがありました。今回は、特に問題もなくアップデートは完了しました。 […]
[…] WordPress | 日本語 » WordPress 2.6 […]
[…] このブログで利用しているWordPressが新しく2.6がリリースされましたので、アップデートしてみました。 […]
[…] ■WordPress 2.6 ■WordPress 2.6 日本語版リリースのお知らせ ●んーむ、Ver.upするかな。でもまた失敗すると萎えるしなあ。手順調べるのめんどい。 […]
[…] WordPress 2.6 […]
[…] WordPress 2.6 へのアップデート終了しました。 さらに使い勝手が良くなりましたとWP公式ブログ日本語版に書かれていました。 投稿の校正(Wikiのように編集履歴を追える)、ウェブ上のどこからでも投稿できる投稿ブックマークレット、Gearsに切り替える(ブログを高速化する)、テーマプレビュー(読者が見える前にテーマを見られる)、などなど。詳細ページ。 […]
[…] 2.6日本語版が正式リリースされました。※詳しいリリース内容はこちら。 […]
[…] なにが、What’s new を詳細にはみていませんが、このブログの元になっている WordPress を 2.6 (Wordpress 日本語ダウンロードページ)にしました。記事の履歴をとれるようになったり、若干スピードアップが図られたりしているようです。 […]
[…] WordPressのバージョンアップが激しい。今回のバージョンは「2.6」。「2.5」が出たのが3月末なので、4ヶ月で新しいバージョンが登場したことになる。内容も地味なようで、いいところをついた機能が追加されている。(Gears対応とかね) まあ、機能の詳細は他の紹介記事に譲るが、とても、もう、「無料配布のブログツール」といっていられないモノになってきている。このスピードで改良されていくと、あと何年後には「とてもすばらしいプラットフォーム」になっているだろう。 開発の手法も、体制も、ここ何年で格段に進歩している。もう、コミュニティがどうのこうのではなくて、共有の資産として、開発が進んでいる様がすばらしい。機能追加も、バグフィックスも、プラグイン開発も、テーマ作成も、それなりにオープンで参加できるフィールドができつつある。 OS、DBとOSSのすばらしい資産からクラウドビジネス(Google、Amazon、etc)が発展しつつあるいま、従来スタイルの販路を中心としたソフトウェアビジネス(MS、adobe、etc)はクラウドビジネスの前で、崩壊してしまうのだろうか?気が付いていてもビジネスの方向を帰られない巨人が何か陳腐なモノを作っているのを見ると、終わりのカウントダウンが聞こえてきそうだ。 […]
[…] WordPress2.6がリリースされてますね。 今回のWP2.6で特筆すべきは、投稿やページを作成/改変した際の履歴(バージョン)管理ができる点。 まださわってないけど、要するに間違って保存してしまっても、以前のバージョンが残っているからまえの状態に戻せるということ。 ほかにもいろいろあるみたいですね。 >>WordPress2.6(日本語) […]
[…] WordPress2.6.2にバージョンアップした。機能的にはここ。 早速導入して使っているが、原因不明の不具合が。 筆者はWindowsLivewriterを使って投稿していたのだが、 これで投稿するとHTMLタグの山括弧(<>こういうヤツね)が全部ストリップされてしまうのだ。 調べてみたらどうやら、Wordpress2.6.2とは別にlibxml2というパッケージをアップグレードしてしまったことが原因のようだ。 […]